SAlchemiastory’s diary

WoFメンバーメインにした創作小説です^^

2020-01-01から1年間の記事一覧

Wheel of Fortuneー古代都市と神罰者たちープロローグ

【プロローグ】 遥か太古の昔、今から2000年前 この大陸には神々の加護を受けたダーマデウス帝国があった。 歴代の帝王たちは神を崇拝し善政を続け、人々も神々を敬い、神々もまた人々を愛した。 神々の恩恵を受け、帝国は文学、天文学、建築学、魔術、医学…

Wheel of Fortune ー古代都市と神罰者たちー第1章 登場人物

Wheel of Fortuneー古代都市と神罰者たちー第1章①

第1章 若き討伐隊員たちと聖職者 トモチたちは今、街を出て離れの森へと続く街道を馬に乗って駆けていた。 ここシュリンガー公国は、はるか昔から魔物たちと戦いを繰り返しており、20年前から国内各領地に討伐部隊を配置するようになった。 全ての志願者が討…

Wheel of Fortuneー古代都市と神罰者たちー第1章②

そこには男の惨殺体があった。頭は鈍器で殴られたように陥没しており、手足はあらゆる方向に曲がっていた。そして、腹部を何か鋭いものでえぐられており、臓物を晒していた。 「ひいっ!!」 目撃者の男は腰を抜かして、その場にへたりこんだ。 「ロム!!」…

Wheel of Fortuneー古代都市と神罰者たちー第1章③

祭壇に奉られている女神像に祈りを捧げ終わると、茶髪の髪の少女は窓際に立ち、ゆっくり日が落ちていくのを眺めた。彼女の名前はミト。街の中核に建つ神殿の巫女であり、祖母である神官マーサのもとで修行をしている。急な任務のため昼間に神殿を抜けてから…

Wheel of Fortuneー古代都市と神罰者たちー第1章④

「私さ、討伐隊員に向いてないのかな。」 神殿の庭先にロムは座り込み、隣にミトが座っている。2人は士官学校時代からの親友であり、別々の道に進んでからも交遊を続けている。 「あんな酷い状態で殺された人、とても見ていられなかったの。兄貴たちの後を追…

Wheel of Fortune〜古代都市と神罰者たち〜第2章①

第2章 新たな邂逅 ① キーン!キーン! 街の郊外にある空き地にて、若者たちが手合わせをしていた。剣や短剣が交差するたびに辺りに金属音が響き渡る。 討伐部隊に所属し強い魔物と対峙する機会の多い隊員たちは常に鍛錬を積んでいく必要がある。任務の合間を…

Wheel of Fortune 〜古代都市と神罰者たち〜第2章②

「はるか昔、この大陸にはダーマデウス帝国がありまして、神の時代とともに長きにわたり栄えておりました。時の王様とお妃様の間には女の子が生まれて、アリスと名付けられ大切に育てられました。」 神殿の大広間、ミトが絵本を広げて街の子供達に読み聞かせ…

Wheel of Fortune ー古代都市と神罰者たちー第2章③

街で唯一のその酒場は、店主のチップとシア、モチ、ベルガモットの3人の娘で切り盛りされている。この街は隣国のアブル連邦との国境近くにあるため、人々の往来が盛んである。この酒場は住民たちだけでなく、各国から仕事を求めてやってきた労働者や傭兵、腕…

Wheel of Fortuneー古代都市と神罰者たちー第2章④

酒場での昼食を終えた隊員たちは、それぞれの任務へ出かけていった。トモチたちが運ぶべく荷物は街外れにある荷馬車に積まれていた。馬車の前部に乗ろうとするトモチを、駆けつけてきたクラースが止める。 「俺も一緒に行くわ。」 クラースが心配そうに声を…

Wheel of Fortuneー古代都市と神罰者たちー第3章①

第3章 異国の美少女 生暖かい潮風が吹く海辺の街に、1隻の大型船が到着する。船から次々と乗客が降りて行き、その中に1人ターバンを巻いた少女がいた。連れの者は誰もいないようで、一人で大きな荷物を抱えており、異国の衣装を身に纏っている。船の旅を終え…

Wheel of Fortuneー古代都市と神罰者たちー第3章②

「暗殺の依頼か・・・」 ソルディはカウンターに座り、1枚の紙を見ながらつぶやく。 店主チップから依頼を受け、第7部隊の隊員たちは酒場に集まっていた。 「うちではさ、この手の仕事の斡旋はしてないから断ったんだけどさ。この書類押し付けられて、とにかく…

Wheel of Fortune ー古代都市と神罰者たちー第3章③

公国で唯一の海辺の街オケアノスの酒場は1日の仕事を終えた労働者たちで賑わっていた。次から次へ客からの注文が殺到し、母親のポーラとセラは忙しなく動いていた。その二人に混じってサーヤも手伝いをしていた。サーヤとセラの2人の若い娘がいるので、彼女…

Wheel of Fortune ー古代都市と神罰者たちー第3章④

日付が変わってしばらくたち、客足が途絶えたところでチップは店じまいをしようとしていた。店の照明を落とそうとしたところ、1人の男が店に入ってきた。 「いらっしゃい」 チップは男に声をかけ、再びカウンターに立つ。 男は全身黒づくめの服にマントをはお…

Wheel of Fortune ー古代都市と神罰者たちー第3章⑤

「あんたね、もういい加減こんな危ないことはおよしなさい。」 深夜の静まり返った酒場にて、ポーラはインドラに盗賊を辞めさせようとしていた。 あれからポーラはサーヤに全ての事情を説明した。ここオケアノスは豊かな街と言われているがそれは表向きである…

Wheel of Fortune ー古代都市と神罰者たちー第4章①

第4章 光と影 海辺の街オケアノスは昔から他国との交易が盛んであり、それゆえ公国内でも富多き街と言われている。だがその一方で、トモチ達が拠点を置く街には見られないスラムと言われる貧民街があり、物乞いをする人や路上生活者が溢れている。光が強けれ…

Wheel of Fortune ー古代都市と神罰者たちー第4章②

一向に歩き回ったがインドラの手がかりは掴めず、やがてお昼時になった。ロムのお腹が鳴り始めたため、3人は港の近くの酒場に入ることにした。 酒場の中から何やら楽器の演奏と、人々の歓声が聞こえてくる。何だか賑やかな様子である。 「いらっしゃい。お好…

Wheel of Fortuneー古代都市と神罰者たちー第4章③

〈前回までのあらすじ〉 盗賊インドラを探しに海辺の街オケアノスを訪れた第7部隊。トモチたちはインドラが潜伏している酒場を訪れ、そこでサーヤという少女と出会う。酒場の店主ポーラはトモチたちからインドラの行方を聞かれるが、知らないふりを装う。一…

Wheel of Fortune ー古代都市と神罰者たちー第4章④

〈前回までのあらすじ〉 盗賊インドラを探し、海辺の街オケアノスを訪れたトモチたち。インドラが潜伏している酒場を訪れるも女店主からは居場所を教えてもらえず。トモチたちが自分を探していると聞いたインドラは、自分を殺そうとしていると勘違いをし、躍…

Wheel of Fortune ー古代都市と神罰者たちー第5章①

〈前回までのあらすじ〉 酒場の店主の依頼で海辺の街オケアノスを訪れた第7討伐部隊。トモチ、キラ、ロムは手配書の人物インドラを探すべく街の人々に尋ねたが、誰も口を開こうとしなかった。やがて海辺の酒場に入り、謎の美少女サーヤと出会う。そしてそこ…

Wheel of Fortune ー古代都市と神罰者たちー第5章②

〈前回までのあらすじ〉 盗賊インドラを探すべく、海辺の街オケアノスにやってきた第7討伐部隊隊員たち。トモチ、キラ、ロムはインドラと対峙することとなる。自分の暗殺を目論むジル伯爵を手にかけようとするインドラに対して、自分との酒飲み勝負に勝つこ…

Wheel of Fortune ー古代都市と神罰者たちー第5章③

【前回までのあらすじ】 海辺の街オケアノスまで、指名手配者インドラを追ってきた第7討伐部隊。トモチ、キラ、ロムはインドラと対峙し、流れで酒飲み対決をすることとなった。 一方、アツ、クラース、ゴンはジル伯爵の執事ハンスという男と対峙。ハンスから…